はぐりぃ らぶりぃ

ぐらんまだより
1回目
「愛着の絆」はパパとママからの最高のプレゼント 愛着について No.1
かわいい私の孫娘へ


最近、どうですか? ベビーもパパも元気にしてますか?
生まれたばかりの赤ちゃんは夜泣きがあったり、授乳を何回もしなくてはならなかったりするので、寝不足になったりしていませんか?そばにいて助けてあげられなくてごめんなさい。パパにできるだけ子育てチームの一員として、手伝っていただきなさいね。

私は今、長崎にいます。異国情緒あふれ歴史ロマンを感じる素敵な所ですが、時間が無くてゆっくり見て回れないのが残念。今回は、はぐらぶサポートネットワークで紹介されている全国児童家庭支援センターの会議で講演をしました。地域に根付いた活動で子どもと親を支える心強い存在のセンターだから、あなたも困ったことや悩みや不安など、なんでも相談したらいいでしょう。

さて、あなたが赤ちゃんを産んでから初めておくる「ぐらんまだより」ですので、 「ぐらんまノート」にも何度か出てくる「愛着の絆」という大事な言葉について、お話ししようと思います。

ぐらんまだより
まず「愛着」という言葉。親子を結びつける強い愛情に関わる言葉であろうことは想像がつくでしょうが、一般的には使われませんね。これは、福祉の分野や子どものトラウマ研究の場で専門家が使う大切なキーワードなのですよ。

「愛着」は英語のattachment(アタッチメント)の訳です。私たちはみな、母親の胎内で育てられている時から、母との「肉体の絆」を経験しています。そして出産時にお産を助けるために母親の体内に出てくるオキシトシンというホルモンのおかげで、お母さんは生まれてきた子どもに対して「可愛い」「守りたい」という想いが生まれ、赤ちゃんは母親の胸に抱かれて「安心感」「安全感」を体験します。これが「肉体の絆」から「愛着の絆」に変わる瞬間なのです。そして、すぐに母乳を含ませると、さらにプロラクティンと言う母乳を作るホルモンがでます。この二つが大切な子育てホルモンなのですよ。…あれ?では父親は?と思いますよね。父親は、妊娠も出産もお乳を出すこともできませんが、生まれた赤ちゃんを抱くと出産時の母親のようにオキシトシンが出て、赤ちゃんを「可愛い」「守ろう」という気持ちにさせてくれます。ですから最初は母親の補助役として、オムツを取り替えたり、夜泣きを鎮めたりすることで、子どもとかかわりを深め、愛着の絆を育むことが大切なのです。いつかお父さんの大切な役割をお話しましょうね。でも最初の一年はどうしても母親が主導になります。お母さんの肌の匂い、お乳の味、やさしい声などで、赤ちゃんの恐怖感、不安感を鎮められ、母親は赤ちゃんが慕情と信頼を寄せる対象となるのですよ。

ぐらんまだより 1990年代から飛躍的に進んだ脳の研究で、乳幼児期に結んだ「愛着の絆」が脳の成長と発達を促して、親を信頼できる手本として学習するための用意を整え、良心・同情・共感・愛情といった人間関係づくりの能力の基礎をつくり、恐怖や不安、怒りを抑えて、喜びや、興味、楽しみを享受できる肯定的な自己意識がある子どもを育てることがわかってきました。

安定した愛着関係は、子どもが、自らを大事にし、他人を思いやる心や優しさと、人生に立ち向かえる能力などを携えて独立できる能力を育む、幸福への鍵だといえるのではないかしら。それは、貧富にかかわらず、パパとママが子どもに贈れる最高のプレゼントだと私は思いますよ。
  ぐらんまだより
愛着の絆を結ぶのに最適な時期は0〜5歳までとされています。この時期になんらかの問題があっても、親子が互いに望む限り絆は結び直すことができますが、5歳までの大事な時期、子どもの遠い未来を今育てているのだという気持ちで、たっぷりの愛情をそそぎながら子育てしてくださいね。



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