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7回目 |
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生活のなかの保護要素と危険要素 〜子育て支援のための両親調査 VOL.2 |
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かわいい孫娘へ
前回お話しした両親調査の続きを紹介するわね。
第一項目はママとパパが子ども時代にどう育てられ、誰から愛されたかについての質問でしたが、
第二項目は子育てに関わるパパとママの生活について確認する内容になっています。
両親調査 第二項目 ママとパパの生活
・お酒とタバコ
次に大切なのは、今のあなたとハズバンドの生活状態です。
お酒・たばこをどのくらいの量、どの程度の頻度で(毎日・毎週・または毎月)たしなんでいるか。麻薬はどうか。精神疾患歴があるか。警察とのかかわりがあるかです。
「こんなことを聞かれたら頭にくる」と言わないでね。児童虐待に関わってくるのが親の飲酒癖なのですから。日本では、お酒を飲むのはあまり悪いと思っていない人が多いようね。そしてお酒に「飲まれてしまう」のを「可愛い」なんて言う人もいます。
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ぐらんまの住んでいるアメリカでは、基本的にキリスト教徒が多いのですが、「自分を失うほど飲む」ことは「罪」になります。それにお酒の量と児童虐待は正比例していますよ。
また、ママが妊娠中にお酒を飲むと、胎児の脳に行く細胞が殺されて、脳がきちんとつくられないって、ぐらんまノートに書きましたね(ぐらんまノート妊娠0〜16週)。
タバコも妊娠中にママが吸うと胎児に行く血管が収縮するとも言いましたね(ぐらんまノート妊娠16〜25週)。パパが吸うと、セカンドハンドスモーク(副流煙)の害が出ます(パパノート)。赤ちゃんがごほごほと咳をしていたら、パパかママの喫煙が原因か調べるのが、今は常識になりました。
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・こころの病気
精神疾患歴ですが、調査をする人は「少し長い時間、理由もなく泣いたり、何もするエネルギーが湧かなかったりしたことがありますか?」というように聞きます。あなたも驚くでしょうが、「聞いて下さってありがとう」言うお母さん方が沢山いらっしゃるのですよ。お医者に行ったことは無いけれど高校時代からちょっとうつがあって、出産直後に産後うつがひどくなったのに、誰も気付いてくれず、一人で悩んでいました、って。なぜうつが子育ての「危険要素」かというと、赤ちゃんは自分のやったこと(泣く、声を上げるなど)に応えてもらうことで「あー私は効果のある人間だ」と思えるのです。これが「自分」の確立で、脳の発達の基礎なのです。でもママがうつだと、赤ちゃんに適切に応えてあげることが出来ないので、ママの替わりに活発に反応してくれる人(パパとか、おばあちゃんとか)がいないと、赤ちゃんの発育に遅れが出ます。ですからこれは大切な質問なの。
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・若気のいたり?
それでは「警察との関わり」ですが、これも調査をする人がサラッときくと、パパなどが「実は僕、高校の頃、ずいぶん悪いことしたんです」なんて言い始めます。自転車やバイクをダダ乗りしてつかまったり、万引きしたりなど。犯罪歴までも行かなくても、その頃のパパの家庭に何か大きなストレスがあったのではないかと思われます。このようなことは赤ちゃんの危険要素になったりしますが、逆にこのような問題がなかったら素晴らしい「保護要素」になりますね。
さらにこれから5回の「ぐらんまだより」にこの続きを書きます。というのはあなた自身、子育てサークルなどで両親調査の項目を検討して、グループのなかでストレスレベルの高い人を支えたり、パパにも教えて、子育ての保護要素を強めると同時に危険要素を取り除くのに協力してもらいたいと願っているからです。
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