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 9回目 |
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子どもの発育に影響する親のストレス
〜子育て支援のための両親調査 VOL.4 |
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かわいい孫娘へ
韓国では駆け足の滞在となり、忙しすぎてお便りできませんでした。今コロラドに帰ってきて、両親調査の続きを書いています。
コロラドも夏です。ぐらんまが住むオーロラ市(デンヴァー市の隣)はとても静かで、西にロッキー山脈が広がっています。オーロラ市は富士山の5合目の高度で山脈地帯なので、朝は雲一つ無い底の抜けるような青空ですが、午後3時ごろから夕立雲が出始めて、ひと雨来ます。でもそのあとはぐっと涼しくなってすごしやすいですよ。早く赤ちゃんが大きくなって、遊びに来られると良いですね。
両親調査 第五項目 いろんな面からストレスをチェック
さて両親調査の5項目は、赤ちゃんの両親が、今、どのようなストレスにさらされているのかを調べます。ストレス度が高いといらいらして、子どもにあたったり、配偶者にあたったりしやすいですね。この項目は人間関係上、居住状態に関して、家計に関して、そしてその他、といくつかの面から聞かれます。
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・両親の人間関係
先ず人間関係ですが、最近の研究で、子どもにとっては、自分が虐待を受けるより、両親の不和を目撃する方が、大きなトラウマ（こころの傷）となることが分かってきました。ですから一番大切なのは、赤ちゃんのお父さんとお母さんの関係ですね。あなたの場合、お互いに支え合う、あまり波風のない夫婦関係だと信じています。意見の違いに時々大声を出すこともあるかもしれませんが、すぐに解決できて、お互いに問題視していなければＯＫです。ここでどちらかが暴力を振るったり、口論が絶えない状態だったら問題です。こうした家族が定期訪問を受けるようになると、両親の人間関係の改善のために、子育てワーカーが色々な支援に繋げてくれるでしょう。
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・住んでいる環境
そこで居住状態を調べます。若い親たちが一軒家を持つ等は、ちょっと難しいでしょうね。日本では三世代・四世代家族の同居というのは、特に都会を離れると普通かもしれません。子育てにたくさんの支援の手があるのは良いことですが、人間関係が複雑になってきます。親と同居でないと、とても狭いアパート暮らしも珍しくないですね。新しく親になった夫婦が自分たちの居住状態をどのように受け止めているか、そして、それが大きなストレス源になっていないかを調べます。また引越しを何回もするのも問題で、１年以上同じところに住んでいたかどうか聞きます。
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・経済的な問題
ここ２年ほど、世界中で経済状態が悪化して、仕事を失ったり、仕事が見つからない人たちが増えました。経済状態が悪くなると、児童虐待・放置の件数が必ず増えてしまいます。アメリカでは家の銀行ローンが払えずに住んでいる家から一家が追い出されてホームレスになり、子どもたちが里親宅に一時預かりになっているケースが増えました。悲しいことね。日本はどうでしょうか？この家計の項目では、食費・光熱費・アパート代などがきちんと払えているのか、毎月のやりくりに苦労していないか。もし問題があれば、それをどのように切り抜けているのかなどを聞きます。
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このストレス源の項目では、赤ちゃんのお父さんの見方とお母さんの見方が大きく違うことがあります。例えばお父さんの両親と同居していたら、お父さんはとても快適でしょうが、お母さんの方はどうでしょう。両親調査をする人たちはこのようなことを上手に、さらっと聞くので、調査されているご家族はこころを開いて話せます。家庭の内情を興味で聞くのでなくて、定期的な子育て支援家庭訪問を受ける権利があるかどうかを調べるためで、どこまでも赤ちゃんの健康な心身の発達が目的で聞いているからでしょう。
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人間関係・居住状態・経済上のストレス等を聞いていって、最後に「他にストレスと感じていることがありますか？」と聞かれます。ここで親は、他の何についてでもストレスだと感じていることを話します。もう一度言いますが、親が高いストレスにさらされていると、赤ちゃんの発育に大いに影響するのです。
アメリカではこのような家庭に子育てワーカーが定期的に訪問して、話を聞いてくれたり、適当なセンターや支援につなげてくれたり、問題解決の技術を教えてくれたりします。日本でも法律で、子育て支援家庭訪問サービスが出来るようになっていますが、実践は地域の行政に任されているので、住んでいる場所に提供されるサービスはまちまちです。現在、愛知県の保健師さんたちが、このアメリカの「健康な出発」「健康な家族アメリカ」などのサービスを一生懸命勉強して活動に取り入れていこうとしています。愛知県の成功を見れば、他の県や市町村にも広がるでしょうと、ぐらんまは大いに期待しています。
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ぐらんまだより【8回目】 
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