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プロローグ〜脳のしくみについて
脳の知識が2000年代で爆発的に進んで、ぐらんまノートを執筆してから分かったことがたくさんあります。この基礎知識では新しい研究で解ったことを組み込みながら、ノートで書いた事柄の科学的なバックアップをしたいと思います。
でもその前に、これから出てくる色々な場所や機能を簡単に説明しておきましょう。
1 脳のしくみ

大脳(だいのう)
頭部内の大部分を占め、思考・知識・記憶・言語・運動など、活動の中枢の機能を司ります。
大脳は新皮質、旧皮質、古皮質の三層構造で、人間が生物学的に進化する過程を脳でたどることができます。まず外側にあるのは高度な精神活動を行う新皮質は新哺乳類の脳といわれ、その内側にある旧皮質と古皮質は、それぞれ旧哺乳類の脳と爬虫類の脳といわれ、本能的活動や原子的情動をつかさどる古い脳です。
母親の胎内でも、生物の脳の進化の過程を追うように、古皮質、旧皮質、新皮質の順に発達していきます。

大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)
大脳の内側にある古い脳からなり、「扁桃体」や「海馬」などが属し、食欲や性欲などの生存本能や、好ききらい、怒り、恐怖などの本能的な情動をつかさどる部分です。

扁桃体(へんとうたい)
快・不快を判断する役割を持つ神経の集まりです。

海馬(かいば)
必要な記憶が選別されて大脳皮質で長期記憶として保存される前に、短期記憶を最長1ヶ月、保有する役割があります。

脳幹(のうかん)
上は大脳、下はせき髄につながる太い幹状の部分です。間脳・中脳・橋、延髄からなり、脳と全身を結ぶ中継点です。嗅覚以外の感覚神経や運動神経が通り、生命を維持するための重要な神経が集まっています。

間脳(かんのう)
脳幹の上部にあり、本能的な感覚情報を大脳に伝える視床と自律神経やホルモン分泌をコントロールする視床下部があります。

視床(ししょう)
嗅覚を除く、視覚、聴覚、体性感覚を大脳に中継する役割をしています。

視床下部(ししょうかぶ)
代謝、体温、消化、呼吸などを司る自律神経とホルモンの分泌をコントロールします。

脳化垂体(のうかすいたい)
多くのホルモンを分泌し、全身のホルモンバランスを支配している内分泌器官です。視床下部と連携しています。

中脳(ちゅうのう)
視覚・聴覚の中継点です。眼球運動やからだのバランスを調整しています。

(きょう)
視覚や運動に関する情報を伝える神経が走っています。

延髄(えんずい)
咀嚼・呼吸・循環・排泄などの機能を調節しています。

小脳(しょうのう)
運動を調節し、身体のバランスを保っています。

2 脳神経細胞による情報伝達

脳内の神経細胞は、からだの内外から情報を受け取って処理し、他の神経細胞に伝えています。そのしくみを説明します。
脳神経細胞にはいくつかの受容体が木の枝状にあり、これを樹状突起と言います。脳神経細胞は五感からの刺激で発火し、軸策と呼ばれる神経繊維を同じように発火している神経細胞の樹状突起の一つへ伸ばして、シナプスという連結部を作ります。この「連結部」はぴったりくっついているのではなく、少し間隙があります。脳神経から出る軸策は一つだけですが、シナプスは100個から10万個あるといわれています。 

五感からの情報は電気になって脳神経細胞の軸策を伝っていきますが、その先端には間隙があって電気が次の細胞に届かなくなっています。そこで、シナプスに沢山あるシナプス小胞に詰まっている脳内伝達物質を放出し、これが次の細胞の受容体に受け入れられ、また電気信号が起こるという仕掛けで、情報が伝達されていきます。(右の図参照)

依存症に関係のある脳内伝達物質は、気分や体温に関わるセロトニン、動機付けや動き、動作、思考に関わるドーパミン、また興奮やストレス反応をおこす化学物質等です。

参考文献 福永篤志監修(2010)『図解雑学 よくわかる脳のしくみ』ナツメ社

 
脳と発達
 

プロローグ〜脳のしくみについて

脳と発達

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考える脳〜大脳(胎児期〜)

動作やバランスに欠かせない脳〜小脳(乳幼児期〜)

脳と親子の絆

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