あなたの卵子とパパの精子が結合して妊娠したときからベビーの出産までの40週の間を、第一・第二・第三胎児期に分けますが、ここでは第一胎児期を二つに分けて「細胞分裂期」と「細胞移動期」とします。この時期の大切さはノートの中で説明しますので、読んでくださいね。
妊娠0〜7週 細胞分裂期 ―星の数より多い細胞
ママの卵子がパパの精子を受け入れて受精卵となると、それはすぐに分裂を始めます。3週間目には丸いボールの形になっていたのが、脊椎中心に伸びて、頭と脊椎としっぽのある生物のクラスで習った原虫のような形になります。ママが妊娠に気付く4週間目頃には、原始的な心臓が動いているのをエコーなどで見ることができるのですよ。分裂を重ねた細胞は幹細胞といって、次に体の色々な場所に移動して、脳を作ったり、内臓を作ったりします。脳に移動する神経細胞は1分間に約25万個あり、でき上がると星の数より多くなるとも言われています。この時にできた約1400億個の脳神経細胞を私たちは死ぬまで使うのですから、妊娠がわかったら、ママはとにかく体を大事にしてね。あなたの体が胎児を守り正常に育てる「殿堂」なのですから。
妊娠8〜16週 細胞移動期 ―綱渡りのような神経細胞の集団移動
たくさんできた幹細胞が、グリアという綱のような細胞を伝って、遺伝子の命令に従って移動するのですが、脳神経細胞は、庭で使うホースに例えるとホースから水がほとばしって出るような勢いで脊椎上部を頭の下部から上部に向かって集団移動するのです。このときに心臓のほうに移動する細胞を切り取って脳に行く集団に加えると、一緒に移動して脳神経細胞になり、行き着いた所で脳の色々な場所を作ります。その脳に行きついた細胞を今度は心臓に移植しても、もうそれは心臓の細胞になりません。今アルツハイマーなどの治療に幹細胞を使う研究がなされているのはこのためです。 丁度この時期に、男性の染色体(XY)を持つ胎児に男性ホルモンのアンドロゲンが降り注いで(アンドロゲンシャワー)、今まで女性として成長していた胎児に男性としての肉体的変化が表れるのですって。アンドロゲンは攻撃ホルモンなので、男の子が女の子に比べて攻撃性が高いのはそのためなのよ。
この細胞移動期は、体外からの影響を受けて脳の形成に異常が起こりやすい時期なので、これから書くアドバイスをよく守ってくださいね。
|