はぐりぃ らぶりぃ

3〜4歳
成長と発達の状態ぐらんまアドバイス
成長と発達の状態

多才な村落人期

ハーヴィー・カープ博士によると、3歳から4歳児は、人類の進化の段階でいうと1万年から6万年前の最初の村落文明を築いた祖先に似ているのだそうです。(関連記事⇒ぐらんまノート1〜1歳半
1歳半〜2歳2〜3歳
脳全体の発達がすさまじく、言語・社交性・知性が目覚ましく発達します。もう赤ちゃんでないけど、少し大きなお兄さんやお姉さんができることを同じようにできる程には大きな子どもでもないことに気付いてイライラし、またかんしゃくを爆発させるかもしれません。

前頭葉の発達

安全な洞窟から危険の多い平地に出て村落文明を築いた時、人間は、生存のために沢山の人たちと一緒に暮らし、物事を深く考え問題解決をする能力をつけねばなりませんでした。それは人類の進化過程において、飛躍的な進歩の瞬間でした。
あなたの3歳児の質問も「これ何?」から「なぜ?」「どうしたら動くの?」など、探求の質問に変ってきましたね。これは額の後ろの前頭葉という大脳の場所が爆発的に育っていった証拠なのです。ここは理性的に考え問題解決をする場所で、言葉を作るプローカー野も入っているのですよ。だから、だんだんと複雑な感情や考えを言葉を使って伝えることが出来るようになり、何でも知りたがってパパやママを困らせますね。想像力もたくましく、遊びにも複雑さが加わります。

運動神経の発達

幼児期前期のトコトコ歩きはもう昔のこと。あなたの3歳児はもう大人のように直立でき、肩を後ろに引いて、頭をあげて自信を持って歩いていますね。4歳のお誕生日までにはポコンと出ていたお腹も引っ込み、足が伸びて、複雑な蛙とびや、片足でのけんけん、ダンサーのようなくるくる回りが出来て、「ママ見て、見て、こんなことが出来るよ」と自分の達成に夢中になります。もう以前のようにあちこち走りまわらず、じっと座ってパズルやゲームに集中でき、庭で蟻の行方を追ったりして、幼児期から児童期へ移行しつつあることが感じられます。

指や手首も自由に動くようになり、自分で歯を磨いたり髪の毛をとかしたりも出来ますが、ママに時々やってもらうことが「ママとの特別な時間」で、好きですね。食事の前や外出から帰ったら、手を洗うことも習慣にしましょう。今までは両手をこすることしか出来なかったのが、手首をひねって手の甲を洗って、指の間も洗うことが出来るので、しっかり教えましょうね。

この頃になるとクレヨンや鉛筆を親指と人差し指の間にはさみ、良いコントロールで物をかくことが出来るようになります。今まではめちゃめちゃにかきなぐっていたのが、少しずつ「計画」して、何かを描く喜びを覚えます。「計画」の能力も前頭葉が発達したからで、洞窟人間と村落人の違いなのですって。

お友達と遊ぶのが好きになる

  3歳のお誕生を過ぎる頃から、自分の遊びに他の子を加え始めます。そして4歳のお誕生日までには他の子どもたちと遊ぶのを楽しみ、自分の物を分かち与えたり、順番を守ったり、協力して何かをすることが出来るようになりますね。幼稚園に通わせる最適な時期です。友達の名前を覚え、お互いに名前で呼び会います。これは「自己」と「他」の分離ができた証拠です。

お友達と遊ぶのが好きになる

たくさんの歌やゲームや物語を覚え、ブランコや鉄棒など身体全体を使って遊ぶことで、肉体も目覚ましく成長しますね。パパやママも戸外に出て、水遊び、雪合戦、キャッチボール、自転車乗りなどの手ほどきをしながら、一家全員で楽しみましょう。

幼稚園に行くと大人との関係の輪も広がり、ママやパパだけでなく、幼稚園の先生(たち)との良い人間関係を楽しめるようになります。「駄目ですよ」ということが分かり、忠告や指示に従い、日課の変化を受け入れて、新しいことに挑戦できるようになります。「え?うちの子はそんな天使のようではないですよ」ですって?おっしゃる通り、時々赤ちゃん返りをしたり、大きな子がしていることを自分もやってみたいのに出来ずにかんしゃくを爆発させることもあるでしょう。一歩前進して半歩後退する、これは自然な成長の過程です。

忍耐を持って、親として(そして幼稚園の先生が読んでらっしゃったら先生として)、公正で一貫したルールを作り、日常の習慣から変化があるときは言葉を使って、これから何が起こるか説明すること。新しいことを試してみるのを勧め、成功したら一緒に祝ったりなどすれば、あなたに協力的な、そして友達に優しい子どもに育っていくでしょう。

 
ぐらんまアドバイス

信頼して良い大人と、赤の他人との違いを教えよう

 

以前に赤ちゃん時代の人見知りは、自己防衛の基礎だと書きましたね。(関連記事⇒ぐらんまノート6〜9ヵ月)親としてのあなたの大切な仕事は、どの大人を信用して、どの大人を避けるかを教えることです。「幼稚園の先生はママやパパと同じで、●●ちゃんを守ってくれるのよ。だからちゃんと先生の言うことを聞くのですよ」「ママが迎えに行く前に、知らない人が●●ちゃんをおうちに連れて行ってくれるといっても、絶対に一緒に行かないのよ。そんな時は先生に言いなさいね」と教えましょう。

信頼して良い大人と、赤の他人との違いを教えよう

ぐらんまの住んでいるアメリカでは、保育園の頃から高校までずっと、園と学校で自己防衛の技術を教えています。幼稚園での教えは「グッドタッチ・バッドタッチ」。ハグ(抱擁)や額へのキッス、背中や腕を優しく撫でることはグッドタッチで、性器やお尻を撫でたり、自分が嫌だと思うタッチはバッドタッチと教えます。「いつも接していて、信用が置けるはずの」親戚や知人から性的虐待を受ける子どもが多いので、こうして、大人からのタッチで、親に言いつけねばならないものを教えるのです。日本の幼稚園でもこのようなカリキュラムはありますか?無かったら、パパやママは園や学校に頼らずに、このような危ない「タッチ」を拒否し逃げること、もしそのような人がいたらすぐに親や先生に報告することを教えましょう。

自分でできることは自分で、そして家事の役割も与えよう

手や腕や身体がスムーズに協同して動くようになったので、服を脱いだり、着たり、顔を洗ったり、歯を磨いたりなど、日常動作が自分で出来るようになってきましたね。一つ一つの日常動作のコツを教えて、静かに見守り、達成できたら大いにほめましょう。「自分のことは自分でする」のは、独立への第一歩です。
アメリカでは3歳になると、家事のなかで出来ることを役割として与えます。例えば食事の時にナプキンを配るのは3歳の●●ちゃんの役割、お皿を並べるのは5歳のお姉ちゃんの役目、といった具合です。成長するに従い役割も増えていきますが、こうして家族の一員としての責任を教えていくのです。

子どもの感情の起伏に敏感に

幼稚園に通うようになると、子どもの生活の輪が広がり、親から離れて色々な体験を毎日味わうことになりますね。毎日、何が起こったか、誰と遊んだかを色々話してもらいましょう。自分から話す子どももいるし、パパやママからの質問だけに答える子もいるでしょう。「尋問」するのではなく、自然に「今日はどんなことがあったの?」と聞いて、子どもの話に耳を傾け、「それは楽しかった(つらかった・悲しかった)でしょう」などと感情の言葉を入れて、合槌を打ちましょうね。「波長を合わせる」ことの大切さを思い出してください。(関連記事⇒ぐらんまノート1〜1歳半1歳半〜2歳)

ぐらんまの知人で、軽度のアスペルガー症状(自閉症の一種です)のある娘さんを持っているお母さんがいます。保育園に毎日黙って通い、迎えに行くとニコニコしながら出てくるので、「楽しかったの?」と聞くと、「ママには分からないんだ」と大声で泣きだすのです。この子は知的にはものすごく発達しているのですが、社交性の発達が遅れ、他人と波長を合わせることがなかなかできず、先生や友達に「合わせて団体行動をする」ことがとても辛いのです。でも一般的な習慣として通うべき保育園で毎日を一生懸命過ごしているのです。この子のママが言うべきことは「今日はどうだった?」とまず中立的に聞いてその子の答えを待ってから、「それは大変だったね。御苦労さま」といたわること。その子の気持ちの代弁をしてあげることですね。

さあ、あなたの赤ちゃんも、言葉を操れ、簡単な問題解決ができ、お友達と遊ぶのが大好きな、自信を持った4歳になりました。ちょうど、児童期のドアをたたいているところですね。あなたもよく忍耐して親業を続けてきましたね。「偉かった、よくやった」と自分と配偶者をほめてあげましょう。これからの親業の道も平坦ではありませんが、この幼児期に素晴らしい愛着の絆と学習の基礎を築いたので、これからは幼稚園や学校の助けを借りながら児童期・学童期・思春期・青年期の課題を順調に乗り越えることが出来るでしょう。ぐらんまはあなたの親としての能力を信頼していますよ。これからもアメリカからの新しい知識や技術をあなたに伝えて、蔭ながら応援を惜しみませんからね。あなたと子どもの成長を楽しみにしているわ。

 
 
2〜3歳 5歳