はぐりぃ らぶりぃ

2〜3歳
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成長と発達の状態

賢い洞窟っ子

ハーヴィー・カープ博士によると、2歳のお誕生を過ぎる頃からあなたの幼児は、15万年前の洞窟に住んでいた旧石器時代の進化の段階と同じような発達段階にあって、ここで初めて我々「ホモ・サピエンス(人類)」の仲間入りをするのですって。1歳の頃は500万年前の猿人段階に相当していましたから、たったの2年間で485万年分の人類の進化を遂げたことになるのです。すごいですね!(関連記事⇒ぐらんまノート1〜1歳半1歳半〜2歳

運動神経の発達

ちょっと前かがみだった歩き方が、いつの間にか直立歩行になり、衝動的だった動作もコントロールがきき、何事にも目的を持つようになりました。ただ、目的に向かって一目散に走ったりするので、その間にある障害物に気付かず怪我をすることが多いから、気をつけてあげてね。

これまで右脳に比べて遅れをとっていた大脳の左半球が、急激に発達してくるのもこの時期です。左脳は、言語や理性的な考え、右半身をコントロールする場所です。ですから右手が機敏に使えるようになり、丁度石器時代人のように、器用に石や道具でおもちゃの釘をたたいたり、穴に打ち込んだり出来るようになりますね。

2歳になったばかりの頃は、クレヨンを握りしめて腕全体でお絵かきをしていますが、3歳のお誕生日頃までには手首の関節が十分に緩み、円などを上手に描けるようになります。また手首と指のコーディネーション(協同)のおかげで、物を投げることも上手になりますので、ボール投げなどの遊びのお相手をしましょう。

唇と喉の筋肉の発達と言語の発達

  子どもは2歳までに大抵20語から300語くらいを覚え、それからは毎日3〜10語ずつ語彙(ごい)を増やしていきます。ただの名詞だけでなく、「行きたい」「行っちゃった」「今行く」などの動詞の変化や過去・現在・現在進行形の時制、「きれい」「こんなに大きい」などの形容詞や副詞の使い分けも覚えながら、です。
これは小脳の発達に伴って唇と喉の筋肉が発達し、左脳の言葉を作るプローカー野も成長している証拠です。語句をつなげるルールも覚え始めて、もっと複雑な意思表示が出来るようになれば、あなたも会話を楽しむことが出来ますね。

唇と喉の筋肉の発達と言語の発達

他の子とオモチャの貸し借りができるなんて

この間まで、他の子のおもちゃを強引に取り上げたりしていたのに、いつの間にかけんかせずにおもちゃの交換が出来るようになりました。なんという成長でしょう。大いにほめてあげてくださいね。

2歳から3歳までの子どもは、あなたからほめられるのが大好きです。パパやママにほめられたい、気に入られたいという願望は、「自己中心」のネアンデルタール人から、もっと社交的で、互いにいたわりあい、死者を弔った洞窟人に進化したということでしょうね。

あなたが手を怪我したのを見たら自分が泣いてしまうなど、同情心や共感能力を示すのもこの時期。1歳半位から始まった「いやっ」という言葉が、あなたに対してどんな威力があるのか分かり、「いやっ」を連発するかもしれません。むきになって怒ったり叱ったりしないでね。前に書いたように、気持ちを代弁してあげて(関連記事⇒ぐらんまノート9〜12ヵ月)、親子同士で「いやっ」「だめっ」の応酬に陥るような子どもとの「意志の戦闘」を避けること。それが効かなければ「無視する」と云うのも一つの方法なのですよ。

この頃は、あなたの「注意を引く」のが大切なので、「無視」されるのがとても嫌なのです。でも子どもにコントロール権を与えないように。パパとママの権威は絶対ですよ。

家庭の習慣やルールに感じる安全

乳幼児期には、家庭の日常習慣や行動の限界を決めるルールを作ることが大切です(関連記事⇒ぐらんまノート9〜12ヵ月)

2歳から3歳の頃は「予期できる」(習慣化され、ルールがしっかりした)日常生活に安全を覚えて、自分からルールを作ることもあるのですよ。例えばおもちゃを並べる順序を決めて、それを守るとか、気分が乱れたら必ず特定の毛布(または特定のぬいぐるみ)を抱いて自分をなだめるとか。その子だけの規律や習慣なので、親としてそれを知ってあげるのが、まず大切ですね。そしてそれを大事にしてあげましょう。ちょっと頑なに見えるかしら?これも成長の一段階ですから心配しなくても大丈夫。もう少し大きくなれば、このようなルールに自然と柔軟性を加えていきますからね。

 
ぐらんまアドバイス

「いやっ」を尊重する?

「娘が2歳になって『いやっ』と言うことが多くなりました。特に『お風呂に入ろう』と言うと娘は拒否をします。彼女の自我を尊重して『うん』と言うのを待っていたら、だんだん寝る時間が遅くなって、今では10時過ぎです。どうしたらよいでしょう?」 これは、ぐらんまがお父さんクラブで講演した時の、ある若いお父さんからの質問です。

本当に尊重して良い場合(知らない人に抱かれたくないなど)と、ただ「いやっ」の効力を試しているだけの場合とでは、「いやっ」の意味合いが違いますね。ここは日常生活の習慣をしっかり決めることにしましょう。

例えば夕食の後はパパと少し遊んで、7時半にはお風呂、そしてお風呂の後は布団に入って、パパかママに本を読んでもらう。そしておねんね。これは毎日決まった習慣で、「いやっ」も「いいよ」もないのです。パパが時計を見て「あ、7時半だ。サーお風呂に入ろう」と言っても「いやっ」ときたら、「ほらあひるさんが、●●ちゃんが来るのを待っているよ。パパと一緒に入って、あひるさんと遊ぼうね」などと言いながら手早く服を脱がせてお風呂に抱いて入ること。いいですね。

ほめ上手になりましょう

2歳9ヵ月のTちゃん。お店屋さんで、お客さんの出入りが激しいお家の子どもです。ぐらんまが日本に来た時はここに必ず訪れますから、Tちゃんは生れた時からぐらんまを知っています。ある日のこと、Tちゃんが「こっち、こっち」とぐらんまを自分の部屋に引っ張って行きました。そして子ども用のプラスチックのイスを「どうぞ」と手で示し、テーブルにお菓子を一個乗せて「どうそ召し上がれ」と言ったのです。
ごっこ遊びはこの頃の子どもに欠かせないものですね。でも「召し上がれ」などという、敬語の使い分けが出来るなんて素晴らしいではありませんか!
そこでぐらんまはTちゃんのママの所に行き、内緒話のようにひそひそとTちゃんのしてくれたこと、言ったこと、そしてそれらが本当にすごいことなのだと告げたのです。Tちゃんは傍で耳をそばだてて聞いていましたが、その顔のなんと誇らしげだったこと。

ほめ方にも色々ありますね。もちろん直接ほめることも大事ですが、この頃の子どもが最も喜ぶのは、その子の素晴らしさを、第3者に、内緒話のように話すのを、耳にすることなのです。
第3者がいなかったら、その子の好きなぬいぐるみなどに、「今日はね、●●ちゃんが〜をしたのよ。すごいでしょう?」と(もちろん、その子に聞こえるように)やりましょう。

もっとほめられたい、パパやママを喜ばせたいという願望は、自己中心だったネアンデルタール人から、他の人たちへの思いやりを示した洞窟人間に発達したことを表します。これが良心や倫理の発達につながって、良い市民に成長する基礎を作るのです。

 
知っトク知恵袋

トイレのトレーニング(用便のしつけ)

ルールに執着するこの時期は、トイレの使い方を教える良い時期です。赤ちゃんの時からオムツが汚れたらすぐに取り替えてあげていると、2歳に近くなると「プップ(日本語でよく使うのは"ウンチ"かな?)が出た」とか「オムツが濡れた」などを、言葉や身振りで教えてくれるようになります。「プップが出るの?」と聞いて「うん」と言うことが多くなったら、「便器に座る」ことを始めます。ゆっくり時間をかけ、子どもが便器に座っている時間に一緒に本を読んだり、歌を歌ったり、「楽しい時間」にしてください。
そしてプップが出ても出なくても「座った」ことにご褒美をあげます。シールや動物の形のクラッカーを一つなどが良いでしょう。プップが出たことにあまり集中し過ぎたり、ほめたりしないでね。プップをママへのご褒美のように取って、あなたに怒っている時はプップをしないなど、「武器」にすることがありますからね。大切なことは、便器に座ることに慣れさせていくこと。時間をゆっくりかけましょう。

 
 
 
1歳半〜2歳 3〜4歳